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1:利久
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2011/02/21 (Mon) 02:50:21
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マジで成功させたい。
4回やって全部ミスってるから、5度目の正直!!
変な方向に曲げるのだけはやめて!!
ルールは特になし。
書き方は自由だし、連投もアリ
挿絵描いてくれてもいいんだよ。はい。
被った時は先に投稿した方の優先で
挿絵ある場合はそっち優先
あと安価で繋げてね>>1って感じで
まず、話を考えよう。なんかあったら言ってみて
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33:アリア ◆fr2FETe1Ug
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2012/11/06 (Tue) 01:59:22
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>>32
それに比べて、なんだ俺のこの体たらくっぷりは……。
保険医に刺されて、汐織ちゃんの能力(?)を開花させる手伝いをしただけ。俺自身には何一つ得はない。
俺はどうしようもないやつなのか?
考えても見ろ、俺の能力なんてそれが汐織ちゃんと同じ能力なのかすら定かじゃないが、"他人の思考を俺の思考に似せる"能力だぞ。なんの利用価値があるっていうんだ。
「おう、そういえばお前に話すことがあって呼び出したんだった」
おいおい、今の今まで忘れてたのかよ。見事すぎるよ。ああ、あんたはとても立派な忘れんぼさんだ。
「誉めるな。私は照れ屋なんだ」
嘘つけ。
それなりの付き合いだがそんな一面見たこともない。
「冗談だ。マジになるな」
「……それで、話って何だよ」
「お前、金属の円盤――持ってるだろ」
「ああ」
「ちょっと見せてみろ」
逆らう気などないので、鞄の中から今朝手渡された円盤を取り出す。円盤は今朝見たときとは違い、別の色――桃色をほのかに発していた。
「こんなんじゃなかったぞ」
「……ふむ。やはりな。大丈夫だ」
「何が」
「この円盤はな、能力に反応して光るんだよ。その光の強さから能力の強さ、色で能力の種類、点滅の周期がこの円盤からの距離をあらわしている」
「この緑と桃色の光は点滅なんてしてないけど……」
どうみても、点滅なんてしていない。常時光りっぱなしだ。保険医は俺を見て少しだが確実に憐れむような目をしやがった。
「お前、電気が点滅してるのは知ってるよな?」
と蛍光灯を指差して言う。
「地域によって差はあるが、ここでは1秒間に50回、この蛍光灯は点滅している。ようはそれと同じだ。ずっと光ってるんじゃなく、短い間隔で点滅しているんだ」
「理屈はわかったよ。ならこの光は誰を指してるんだよ」
「ピンクは――癒し」
「それじゃ……」
俺と保険医は汐織ちゃんを見る。
「わ、私ですか?」
保険医は首を縦に振る。ちなみに俺は困惑。
「なら、この緑は?」
保険医は、今度は俺をゴミでも見るような目をしてくれた。
「お前だ。自分の能力くらい自覚していると思ったが?」
「……ま、まあな。で、緑は何なんだよ」
「緑――精神操作」
なんだか、せこそうな種類だな。それも俺の能力は恐らく中でも最低レベルだろうな。
「そんなことはないかもしれないぞ。光の鮮やかさは能力の潜在的な部分を映している。完璧じゃないけどな。よく見てみろ、お前の緑は鮮やかな緑だ。まだのびしろはあるぞ」
のびしろって言われてもな。鍛え方なんてわかんねえからな。どうしようもないだろ。
「簡単だ。どんどん使っていけばいい。何事も経験が大事だ」
「やってみるよ。目的も何もないけど」
「頑張んな。立花も少しずつ使ってみるんだよ?」
「はい」
ん? そう言えば、保険医は能力を持っているのか? こんなに詳しいんだから、当然あるだろう。
「あるっちゃあるが、私はあまり見せないようにしているんでね。ほら、円盤にも映ってないだろ? ある程度の技量をもっていると、自分の力で能力が放出されるのを防げるんだ。あんたたちもそのうちできるようになるよ」
そう言って保険医は俺に円盤を渡し、俺達を保健室から追い出した。
そのあとは仕方なく、汐織ちゃんと帰宅。こんな可愛い娘と一緒に帰れるなんて幸せだ。
とはいっても、俺は女子と話すことが得意というわけじゃないから、会話が弾むなんてことはあるわけもなく、昨日と同じ場所で俺達はそれぞれの帰路に就いた。
汐織ちゃんが別れ際に、
「お互い頑張ろうね!」
と声をかけてくれた。嬉しいな。こんなことって実際にあるんだな。
俺はそのあと、気付かぬ間にスキップになっていて周囲からの視線を鋏よりも深々と体中に突き立てられた。